ガットギター

子供の頃はグループサウンズの全盛期でした。
でも、それこそ子供だったので、ときめくほどの興味はありません。
5歳上の姉は寝ても起きてもグループサウンズでした。
当時はまだテレビも白黒で、家庭の録画なんて
もちろん想像さえしていない時代だったので
いち早く新曲を自分のものにするために
姉はいつも速記かというほどの速さで
歌詞を書きつけていました。
グループサウンズの音楽って、その前後の音楽とは
違っていたと今も思います。
謡曲とも少し違う、やがてやってくるフォークとも違う。
今聴いても、懐かしく不思議な感覚になります。

 

グループサウンズがすぎて、青春ポップスと言うのでしょうか。
謡曲と演歌のほぼ同じような感じの中に
思春期の少年少女が熱中する音楽が出てきました。
新御三家と中三トリオの時代です。
その頃に私はギターと出会いました。
当時呼んでいた「ガットギター」です。

 

今おもえばクラシックギターですよね。ナイロン弦の。
当時はガットギターと呼んでいました。
何となく、ちょっとした外の行事の時に
誰かがガットギターを持ってくるんです。
当時、ギターなんて本当に珍しく、カッコよくて
少し借りて、ポロンポロンと弾いていました。
コードなんて事も知らず、とりあえずひとつの弦だけで
何か曲を弾いてみる。

心が震えましたね。
たったひとつの弦の「禁じられた遊び」だったけど
まるで知らなかった別な世界を覗いたような興奮を感じましたね。

 

ギターとはそんな中学時代から、つかず離れず
時には寝食を共にするほど近くにいて
時に生活の慌ただしさの中で消えてしまったり。
そして、今また、私の一番の友達に返り咲いています。